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第4回金融研究会を開催しました。

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日時:10月22日(水)17:15~19:00

報告①:17:15~17:50
報告者:山田 佳美氏(一橋大学大学院)
共著者:小西 大氏(一橋大学)
タイトル:地域金融が地域経済の成長に与える影響

(論文要旨)
本研究では、信用金庫のデータを用い、大都市圏または都市圏を除く市町村ベースを対象
に、「より外部資金調達に依存している産業は、より金融システムが発展経済において急
速成長すのか」を実証分析した。分析の結果、第一に、より金融が発展した地域では、外
部資金依存度の高い産業がより成長すること、第二に、信用金庫の健全性が平均より高い
、効率性が平均より高い地域では、金融の発展が外部資金依存度の高い産業の成長を促す
こと、第三に、①競争は激しくなく、②独占状態であれば十分に本業からの収益が確保で
きる地域では、金融の発展が外部資金依存度の高い産業の成長を促すことが示された。

 

報告②:17:50~18:25
報告者:後藤 瑞貴氏  (一橋大学大学院)
タイトル: 企業別実効為替レートと為替エクスポージャー

(論文要旨)
本研究では、企業の売上と費用の発生地点の相違から、キャッシュインフローとキャッシ
ュアウトフローの通貨のギャップによって生じる為替リスクをとらえるために、有価証券
報告書上のデータを用いて企業の生産販売構造を表す指標を作成した。作成した指標を企
業レベルの実効為替レートウェイトとし、業種ごとに集計して企業レベルウェイトを用い
た実効為替レートの作成を試みた。業種ごとの集計にあたっては産業内の企業同士の資本
関係を考慮して集計を行った。さらに作成した企業レベル実効為替レートを用いて、企業
レベルの為替エクスポージャーを推計した。分析の結果、日本の主要輸出業種である自動
車・機械・電気機器の3業種において、企業レベルの生産販売構造を考慮したうえでも円
高が企業価値にとって負の影響を及ぼすこと、収入面よりも支出面において直面する為替
エクスポージャーが株価収益率でみた企業価値にとっての負の影響が大きいことを明らか
にした。

 

報告③:18:25~19:00
報告者: ライ カレン カイ リン氏( 一橋大学大学院 )
タイトル:経済政策の不確実性と銀行の資本バッファーに関する検証

(論文要旨)
本研究では、経済政策の不確実性が日本の銀行の資本バッファーに与える影響について実
証的に分析する。分析結果として、経済政策の不確実性が高まると、銀行は資本バッファ
ーを増加させることが明らかになった。一方、経済政策の不確実性の内容によって資本バ
ッファーに与える影響が異なることが分かった。また、経済政策の不確実性が高まると、
資本バッファーの調整スピードを引き下げる影響が認められた。

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